2017年3月3日金曜日
Todd Rundgren ・ Wailing Wall
世でよく言われている、「無人島レコード」。
「もしもあなたが無人島で一生を暮さなければならなくなったときに
持っていく1枚はどれですか?」というやつ。
私は正直その1枚はすぐには選べないし、置かれてる状況や季節によっても変わると思っております。
ちなみに今ジャストナウ。これを打っている時点で訊かれたら
おそらく私はAzymuthの『Telecommunication』と答えると思います。
なんでや、といわれてもそうなんだからしょうがない(笑)。
さて、それとは別に、
「今、あなたがこれから人生最期の時を迎えます。なにか1曲聴き終えたら天国へ行ってしまいます。生前、最後に聴きたい1曲は何ですか?」
という質問ならば、私は生涯ブレることなくこの曲を選ぶでしょう。
たまにふと、このことを思い出しますが、
10年前でも、20年前でも結果は一緒でした。
1971年、トッドラングレンのアルバム
「The Ballad Of Todd Rundgren」(一応念のために、これはベスト盤ではありません)
より、
『Wailing Wall』。
なぜこの曲を聴いて息を引き取りたいか?というと
やはりこの曲をメロディを感じてあの世に行きたい、
それほど好きな曲だからです。
ピアノの音質。録音の音質。声のトーン。
多重録音によるトッドのバックコーラスのハーモニーの美しさ
微妙なニュアンスで重ねられた心憎い音選び。
そして曲の間にかすかに漂うシンセ。
そのシンセが、最少にして最大の効果を生む。
ほんのわずかな音が出るだけ。
極めて小さく、さりげない単音。
そこに一切の無駄がないばかりか、そこになければいけない
絶対的な必要性。
目を閉じて聴くとそこに広がる、永遠を感じる音世界。
黄泉の国への道連れに、愛しきこの一曲。
私にとっては人生最期の1曲なのであります。
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